共立女子大学 建築・デザイン学部 建築・デザイン学科
建築計画研究室/髙橋ゼミナール
V2Jの構築をめざして
”VISION 2J(V2J)” は高橋ゼミが考える公共空間の新たな拡張手法です。
公共空間とは一般的に都市空間におけるパブリックスペースと捉えられがちですが、ここでいう「空間」とは「建築空間」のことを指します。近代以降、わが国の公共建築は建築計画学に基づいて、ひとつの敷地に配置されたひとまとまりの建築によってプログラムが内包されるシステムが採用されてきました。
その時代の人口は高度成長期もあいまって右肩上がりの状況でしたが、将来、人口増加が見込めないわが国において、過去の産物をうまく活用しない限り、それら余剰空間は単なる無駄なモノとして処理されてしまいます。
そこで私たちはその「余剰空間」を使って、まちのなかに公共建築空間の機能を展開・拡張させていく試みを「実装(1つめのJ)」させ、さらにそれらが住民たちの手によって自律的に「自走(2つめのJ)」できる運用手法までパッケージングしながら実践していこうという活動が”VISION 2J(V2J)”です。
そのV2Jプロジェクトのパイロットスタディが、SUGAWARADAISUKE建築事務所・調布市とともに3年間展開してきた調布市空き家エリアリノベーション事業「富士見BASE」のローンチです。
ソーシャルインクルージョン(福祉)とスモールビジネス(小商い)という、両極の社会的活動を「アート」で結びつけることにより、富士見BASEに実装させ、事業者に自走させたケースです。
この社会実験は郊外住宅地の古家(空き家)の契約上1年間の試行でしたが、実装スピードを格段に上げることで、事業者による自走まで可能であることを証明することができました。
2023年4月からは飛田給に活動場所を移し、事業者による運営と調布市社会福祉協議会が加わることにより、完全に自律・自走することで、まちにある既存の公共建築空間の機能を拡張するエクステンデッドスペース(EXSP)として動き出します。
教授:髙橋 大輔
MTAW 松下・髙橋アーキテクチャーワークショップ 共同代表
一級建築士,博士(工学)
管理建築士講習修了
調布市まちづくりプロデューサー
既存住宅状況調査技術者
福祉住環境コーディネーター2級
(兼任講師歴など)
東京電機大学工学部建築学科 非常勤講師
国立小山工業高等専門学校 建築学科 非常勤講師
福山市立大学,法政大学,早稲田大学 招聘講師など
(外部委員など)
調布市空き家対策等対策推進協議会委員
調布市都市計画マスタープラン策定検討委員会委員
日本建築学会子ども教育事業部会 幹事
日本建築学会技術論文報告集 計画系論文集 論文査読委員
公益財団法人全国市町村研修財団 市町村職員中央研修所 講師
公益社団法人全国宅地建物取引業協会連合会 不動産キャリアパーソン講座・インターネット講義(建築部門)講師
一般財団法人地域活性化センター 自主研究事業アドバイザー
(所属団体)
日本建築学会正会員
日本都市計画学会正会員
日本家政学会正会員
人間・環境学会正会員
東京建築士会正会員
助手:磯野愛美
2023年度所属学生
D5:1名,B4:10名,B3:11名